ロックバンド「FLOWER FLOWER」のボーカルのyuiさんが
パニック障害で入院したそうですが、その理由は何だったのでしょうか?(入院は1日のみで、現在は療養中)
彼女の歴史と最近発表した楽曲の過激な歌詞とキーとなる3つの楽曲からその背景を推測してみました。
yuiのプロフィール
yuiさんのプロフィールはこちら。
過激な歌詞に隠されたメッセージ
まずはyuiさんが所属するバンド FLOWER FLOWERで発表された曲、
「コーヒー」の歌詞を御覧下さい。
ため息ついた 飲めないのにコーヒーを飲んだ
もういいよね やめよう すべてはどうでも良くなってきた ah ah
だまされないように 気をつけてねと君は笑って言った
そんなのわからないよ
心が機械になればいいけど うまくいかないんだ
ため息はなおらない
楽しくないけど、まだやらなくちゃ
POPなメロディ嫌気が差すの
逆らって生きたら、居場所がないの oh
Aメロつくって、Bメロ、Cメロ、そしてDメロ
決まった順番に自由とか発想とか無視してばっかり
こんなこと歌えばあいつは変わりすぎてるとか言ってる
普通もキチガイもどちらにしてもお互いに変なのに
うまくいかないんだ
ためいきはつづいてる
だるくてしょうがない
けど明日はくるんでしょ
POPなメロディ 嫌気が差すの
逆らって生きたら居場所がないの
塗り替える勇気も持ってないくせに
歌ぐらいは自由に歌わせてくれよ
消え失せろ 消え失せろ 消え失せろ 消え失せろ
消え失せろ 消え失せろ 消え失せろ 消え失せろ消え失せろ 消え失せろ
ため息ついた 飲めないのにコーヒーを飲んだ
もういいよねやめよう ほんとはしがみついていたいのさ
いかがでしたでしょうか?
今までのyuiさんの曲からはかなりギャップのある歌詞です。
「消え失せろ」という過激な歌詞も使い、
「もういいよねやめよう ほんとはしがみついていたいのさ」と
現状を諦めるような感情が見え隠れもします。
この歌詞がyuiさん自身の事を歌っているかは不明ですが、
彼女が非常に追い詰められているような印象を抱いてしまいます。
母子家庭、過労で入院、高校中退
yuiさんは、福岡県で生まれ、母子家庭で育ったそうです。
幼少期は外で遊ぶことが好きで、活発な子だったと
言われています。
しかし、その頃から何となく歌手になることを意識しており、
中学2年生の頃から歌詞をノートに書いていたそうです。
高校に進学をしますが、学費を稼ぐためにしていたアルバイトで
体調を崩し入院。そして高校を中退してしまいます。
その頃の気持ちを中心に綴ったのが、「My Generation」という曲であると、
本人が語っています。
デビューと2度の活動休止
yuiさんは高校中退後、ストリートライブをしていたミュージシャンの紹介で、
音楽塾ヴォイスに入ります。
この塾は、絢香や
家入レオを輩出している福岡の名門の音楽学校です。
yuiさんはここでギターと曲作りを学び、
その後ストリートライブをするようになります。
そして関係者の勧めでソニー・ミュージックのオーディションを受け、合格。
その後の活躍はご存知の通りです。
出す楽曲のほとんどがヒットし、タイアップの無い曲を探すほうが
難しいくらいです。
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しかし、2008年8月に「制作活動に専念するため」という理由で活動休止を発表。
そして、2009年6月に「again」で復帰。その後は順調に活動していきます。
ですが、2012年12月末にYUIとしての活動を休止します。
その理由として、
「素直に言うと、限界が来た、って感じですね」
「これ以上進めないっていうところを通り過ごして、
多分もう歩けなくて立ち上がれない、
っていうところまで来たのかな」
とインタビューに答えています。
yuiを紐解く3つの曲

出典:akabaneouji.blog.ocn.ne.jp
yuiさんはインディーズ時代に「Why me」と「It’s happy line」という
楽曲を制作しています。
この2つの楽曲の歌詞は深く自分の内面と向き合い、
弱さと決別し強く生きていくことへの決意や、
生きていくことそのものの難しさを歌っています。
そして1度目の活動休止後の復帰シングル「again」の歌詞では、
ファンへの謝罪と感謝を表すような言葉に交えて、
以下のフレーズが出てきます。
もっと素直に吐き出したいよ
これは中学2年の時に、思うがままに歌詞を綴った事を
書いているのではないでしょうか。
これらの楽曲はインディーズ時代と復帰後の第一作ということで、
タイアップの影響が少ない曲だと思われます。
タイアップというジレンマ
アーティストが制作した楽曲がドラマやCMのテーマとして
起用されることをタイアップといいます。
楽曲と作品がそれぞれのファン層に広く認知されるため、
よく使われる宣伝の手法です。
このタイアップ、当然ですが作品と相互関係を持ちますので、
アーティストが100%好きな楽曲を制作出来ることは少ないです。
極端な例を挙げれば、コメディ映画で失恋ソングは起用されません。
yuiさんの楽曲は、恋愛をテーマとした曲でも直接的な表現を
あまり使用しません。
加えて、先ほど紹介した3曲は自分の内面へと深く向かい、
そこから「生きること」に対してのメッセージを強く問いかけ、
語りかけるような楽曲です。
しかし彼女の他の楽曲を見てみると、
恋愛をテーマにしたドラマや映画に関するタイアップも
非常に多く見られます。
これは推測でしかありませんが、
彼女はこういった恋愛系の歌を出すことを
それほど望んでいなかったのではないでしょうか?
つまりyuiさんにとって楽曲を出す度に、
自分の本来の音楽性とは違う作品を求められることが、
かなりの負担になっていたのではないかと予測されます。
パニック障害の理由
YUIとしての活動を休止した後に、
Flower Flowerというバンドを結成し、
名前を全て小文字のyuiにして活動を再開します。
今回のパニック障害は、そんな時に起こりました。
医者によると、パニック障害はストレスや緊張が重なった時に
起きやすい傾向にあるそうです。
もし、一番に最初に紹介した「コーヒー」という楽曲が
彼女の精神状態を表しているものだとしたら、
今回の発症も不思議ではありません。
今後は体調に配慮しながら、
yuiさんがやりたい音楽を追求してほしいと、
願うばかりです。
↓yuiさんのインディーズ時代の楽曲が入ったアルバムはこちら