ソロモン流に出演していた、秋吉敏子さんというジャズピアニストをご存知でしょうか?
実はこの方、日本のジャズ界では知らない人がいないほどに有名な人で、現在の年齢は84歳ながら、現役で活動を続けているバリバリのジャズピアニストなんです。
今回はそんな彼女の2014年のコンサート情報や、その苦悩について迫ってみました。
秋吉敏子さんのプロフィール
秋吉敏子さんは1929年12月12日に当時の満州の遼陽(現在の中国)で日本人の両親の元に誕生します。
小学生1年生の時にピアノに魅せられて、すぐさま練習を開始。
途中、師事する先生を変えながら、その実力を磨いていきました。
終戦後には大分県に戻り、駐留軍のキャンプでジャズピアニストとして活動。
この時秋吉敏子さんは、15歳の時です。
1948年に上京、1952年には「コージー・カルテット」を結成します。
そして1953年には、秋吉敏子さんのその後の運命を変える出会いが銀座でありました。
ナイトクラブで演奏をしていたところ、たまたま来日していたオスカー・ピーターソンさんが来店。
この人物は後に「鍵盤の皇帝」というあだ名がつくほどの凄腕ジャズピアニストでした。
そんなオスカーが秋吉さんの才能にいち早く気づき、レコーディングをするように勧めます。
そこからジャズ関係の人脈に幅が広がり、1956年の26歳の時には、バークリー音楽大学に奨学生として入学することになります。ちなみにこれは日本人としては初のこと。
バークリー音楽大学は後に上原ひろみさんなど、多数の日本人を輩出することになるのですが、秋吉さんはその後に続く日本人への道標を作った、まさに第一人者となりました。
1963年には結婚し、娘のマンディ満ちるさんを授かるも、1965年に離婚。
1967年には現在の旦那さんであるルー・タバキンさんと出会い、その2年後に再婚。
この後の1973年に、秋吉敏子=ルー・タバキンビッグバンドを結成し、翌年の1974年には秋吉さんにとって非常に大事な作品である「孤軍」を発表します。
その後のジャズピアニストとしての活動をしていく中で、グラミー賞へのノミネートが10回以上、音楽雑誌の批評家と読者投票で5年連続の1位を獲得、1997年には文化勲章としては最高峰の紫綬褒章を受賞、1999年には日本人として初めてジャズの殿堂入りを果たすなど、その経歴は華々しいの一言につきます。
84歳になった今も現役で活動。
肉とワインをこよなく愛しており、演奏中も、
「この曲が終われば、シャンパンが飲める!」
と考えていることもあるそうです(笑)
なんとパワフルな人なんでしょう!
一つの転機となったアルバム「孤軍」
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華々しく順風満帆にみえる秋吉敏子さんですが、その道程は決して平易なものではありませんでした。
今でこそ、多少は変わってきたのですが、秋吉さんの渡米した当時というのは、ジャズは東洋でも西洋でもなく、「アメリカの音楽」でした。
そして男性奏者の方が圧倒的で、女性が行くような世界でもありません。
それゆえ日本から来た女性ピアニストというだけで、たびたび偏見持たれることもあったのだとか。
そんな障害にも負けずに、秋吉さんはジャズピアニストとしての地位を確立していくのですが、上に行けども、行けども、何か「見えない天井」に阻まれているような感覚に襲われていたのだとか。
しかし、激しい葛藤と自問自答を繰り返す中で、ある日、自らがハンディキャップであると思っていた「東洋人」や「日本人」であることを誇りにし、自分自身を素直に出していくことを決意します。
実はその決意こそが、単なるアメリカのジャズの模倣ではない、後に発表していくオリジナルな作品を生み出していく原動力となったのです。
そしてそのまさに転換点となった作品が、1974年に発表した「孤軍」。
その特徴的なタイトルも注意を引くのですが、そのサウンドは日本古来の音楽の要素が色濃く出ています。
夫のルー・タバキンさんもフルートをまるで篠笛や尺八のように演奏し、その世界観を支えている点もその特徴の一つでしょう。
ですが、このアルバムがまさに、秋吉敏子さんが感じていた、「見えない天井」を突き破ったことの証明になった一枚なのです。
2014年のコンサート情報
秋吉敏子さんはアメリカでの活動がメインであるためか、公式サイトも更新が滞っており、最新情報を得るのが難しい人だったりします(^_^;)
現在、確認がとれているところでは、下記が2014年のコンサートスケジュールのようです。
2014年1月17日 東京都 ヤマハホール
2014年1月22日 大阪府 Billboard Live Osaka
2014年3月30日 東京都 町田市民ホール
2014年3月31日 石川県 北国新聞赤羽ホール
2014年4月23日 静岡県 アクトシティ浜松 大ホール
2014年10月17日 三重県 三重県文化会館小ホール
引用元:BARKS
今現在の日程だと、三重県のチケットを残すところとなっています。
残り枚数が少ないみたいなので、売り切れ注意です!
今回は、ジャズ界の生ける伝説である秋吉敏子さんについてお届けしました!