3Dプリンターで製造した、
殺傷能力がある拳銃を所持したことで、
神奈川県の住む居村佳知容疑者(27)が、
銃刀法違反の疑いで逮捕されました。
実はこの3Dプリンター、意外な場面でも活用されてます。
今後に予測される危険とともに、お届けします。
そもそも3Dプリンターって何?
3Dプリンターは、コンピューターの3次元のデータを基に
樹脂等を高温で溶かしながら、いくつもの層を積み重ねて、
立体的に物を作り出す装置です。
通常のプリンターのように印刷するような感覚で、
成型できることから、この名前が来ています。
ものづくりの現場では、試作品を短期間で仕上げることが可能になり、
医療現場でも人体模型を製造するために導入を進めている機関もあるそうです。
銃の設計図が公開されたのは1年前
今回製造された銃の設計図は、
2013年の5月に当時テキサス大学の学生であった、
コディ・ウィルソン氏が公開しました。
国家による武力の規制に疑問を抱いたことが、
公開に踏み切ったきっかけだそうですが、
この設計図は世界中で10万回以上ダウンロードされ、
日本からは6万回近いダウンロードを確認しているそうです。
(現在は公開を停止)
その当時から、日本で銃が製造されてしまう危険性を
指摘する声はありましたが、今回はそれが現実となったようです。
樹脂で製造されるため、強度がもろく、数回の使用に
耐えられるかどうかというものではあるのですが、
金属探知機にも引っかからないため、
その危険性は決して低いものではありません。
裁判の現場でも活用される3Dプリンター
実はこの3Dプリンター、裁判の現場でも積極的に
活用をされていくようです。
事件現場を図面だけでなく、模型にすることで、
裁判員裁判の場面において一般の市民にも、
犯罪状況を分かりやすく説明できるとの事で、
警視庁が東京地検と協議を進めているとのことです。
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また、犯罪捜査の現場では既に導入が始まっており、
被害者の陥没した頭蓋骨を模型化して、
凶器の形状照合での一致が見られるなど、
一定の成果が出ているようです。
人間の耳も作れてしまう?
3Dプリンターは医療分野での研究により、
細胞を「印刷」することにも成功しています。
バイオプリンティングと呼ばれ、
現在最も注目度が高い研究の一つです。
この研究が進むと、移植手術における臓器の不足などの
解消が見込まれ、医療技術での大きな活躍が期待されています。
現時点では、人間の耳を製造した事例が確認されおり、
その時の画像がこちらです。
たしかに、耳の形をしていますね(笑)
今後の危険性は?
3Dプリンターの出現は、今後の世界のあり方に
大きく影響することは間違いありません。
しかし、それは今回のように犯罪にも、
飛躍的な技術進化を与えてしまうという側面もあります。
今回逮捕された容疑者は意図的にインターネットで
その様子をアップロードしていたために発覚をしましたが、
日本だけでも6万ダウンロードされており、実質的に流通を
止めることは出来ないでしょう。
そして、拳銃に限らず、その他の武器や軍用部品に
ついても同じリスクがあります。
さらには先ほど紹介したバイオプリンティングが発展すると、
有毒物質などの化学兵器を「印刷」することが出来るようにもなると
専門家たちは懸念を示しています。
3Dプリンターは画期的な技術ですが、
その運用についての世界的なルールが早急に必要な気がします。